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フロイトいまさら

現代の心理学から見るといまさらフロイトと思ってしまいますが、何故でしょうか?いまさらカウチで自由連想のスタイルは古めかしいし、後期の性的な観点の固執に対する嫌悪感などかもしれません。最近NHKの100分で名著や放送大学の心理カウンセリング序説でフロイトの精神分析の話を聞くと、いまさらですがフロイトのすごさに気づかされました。心理学初心者ながらの新鮮な感覚のうちに取り上げたいと思います。

フロイトの時代は、産業革命で人々が自由を得始めた時期にヒステリーに着目されて、当時はメスメル(Mesmer)の磁石での治療が上流階級のサロンで始まり、初めはオカルト扱いでしたがやがて催眠療法として広がりました。フロイトの先輩のブロイアー(Josef Breuer)がこの催眠治療が心の中の過去の記憶や情動が解き放たれることによりヒステリーが収まることをカタルシス療法として意味あることを実証しました。しかし催眠療法の間のクライエントは寝ている間の本人が気づかない間に自分の過去の知られたくないことも含めてセラピストに話すことになるという一方的に弱い立場になります。それが続くとクライエントはセラピストに依存する関係に陥ることが多く、ブライヤーもアンナ・Oとの治療を超えた関係に陥りました。

一方フロイトは実は音痴でこの催眠療法に乗り組んだ時に、用いる音楽の理解や本人の声高の声も含め催眠の施術の才能がないのに気づいたそうです。ただ、そのうちにクライエントが催眠に入らなくとも、セラピストの問いかけに対してクライエントが自由に思い出すことで同じカタルシス効果があることに気づきました。これが自由連想法ですが、ここにはエポックメーキングな最初の点があります。それまでの催眠療法ではクライエント自身は気づかない秘密をセラピストが知っているという力関係でしたが、自由連想法においてはクライエントは平常で自分の心の秘密が現れる現場に立ち会えるという点です。クライエントの立場が大きく変わったといえると思います。

ポイント1 フロイトの自由連想法により、催眠法では出来なかった「クライエントが意識下で自分の心の秘密の出現に立ち会え」ことが可能となりセラピストの立場に近づいた。

ただ、この時点ではあくまで分析するのはセラピストであるという理解で、まだクライエントの人間関係に着目する段階にはなかったようです。そののちの弟子のメラニー・クライン(Melanie Klein)の「治療者と被治療者の間に何が起こっているのか」を捉える対象関係論などで発展していきました。

ゴロワーズ

転移・逆転移の理解はこのころから始まったんですね!

またフロイトはクライエントの語る「言い間違い、忘却、などの誤謬」が、単に正しくないとするのではなく、むしろこの誤謬をきっかけに心を解明するというコペルニクス的転回に至りました。(放送大学大山教授の講義より)

ポイント2 フロイトはクライエントの語りの中の誤謬や語られないことが、意味ないことではなくむしろ心の解明につながるとの新たな視点を提案した。

そして今では当たり前になった「無意識」という、自分(自我)では把握できない、意識できない状態を無意識と呼び、意識できない領域を「潜在意識」を表しました。それまではデカルトの「我思う、ゆえに我あり」にあるよう、意識と自我は同一視されてきました。したがって、夢に現れる筋が通っていないような出来事は意味のないこと、恥ずかしいこととして封印されてきました。しかしフロイトは「夢判断」のなかで、催眠や睡眠での夢を無意識の内容として解釈することで患者の無意識内容を把握する方法「夢判断」を編み出し、精神分析学(psychoanalysis)を創始しました。(wikiより一部引用)

ポイント3 フロイトはクライエントの語りの誤謬や夢の内容には自分が意識できない「無意識」が関与していることに気づいた。

当時生物や人の解剖的な研究が進み、脳を中心とした神経系の存在が明らかとなっていました。フロイトはこの意識・無意識は脳の中のある部分に局在するのではの考えから「局所論」へと発展させました。この無意識という領域には、生まれながらの持った生物的な欲求や思い出したくない記憶の置き場所と考えるようになりました。この記憶は普段は周りとかかわりでは表出するとうまくいかない事もあるため、普段は呼び起さない無意識の領域に抑圧する機能は発達したと考えるようになりました。その働きの中心が「エゴ(自我)」という概念です。生物的な欲求部分の「エス(欲)」とこの「エゴ(自我)」及び全体の調停を司る「スーパーエゴ(超自我)」の機能で心のメカニズムをとらえる「構造論」を提案しました。

ゴロワーズ

この心の理に近づいた時のフロイトは今でいえばアゲアゲだったかな?

この先の展開はまた別な機会に取り上げたいと思います。

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