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四つの<物語>で学ぶ(21)

「サビカス キャリア構成理論 四つの〈物語〉で学ぶキャリアの形成と発達」の第1章の、自己調整するエージェントの後半です。ゴロワーズが報告します。

  • 動機づけスキーマと適応戦略との組み合わせ
  • 関心と好奇心の組み合わせ
  • 仕事の役割

になります。下図の統合マトリックの赤の破線の辺りです。

目次

自己調整するエージェント(後半)

動機づけスキーマと適応戦略との組み合わせ

動機付けスキーマについて

[前提14]動機に焦点があるスキーマによって、望ましい結果を達成する方向づけが説明できます。子どもは、特に養護と安心に対する欲求を、親が使う社会調整方法を用いて、自分の感情と行動を自己調整する方法を学びます(Higgins, 1998)

  • 親が保護を重視すると、達成・報酬・促進に焦点を当てる自己調整スキーマが育ち、
  • 安心感を重視する社会調整は、責任・安心・安全を維持することで問題を予防する

 ここで、ヒギンズの制御焦点理論は、⼈間の根源的な動機づけのモードに関する理論になり、人の動機付けには、促進焦点(本文では昇進焦点)と予防焦点の二つのモードがあり、状況によって使い分けられるものだが、どちらが優勢になりやすいかは個人差もあると言われています。

  1. 促進焦点:
    「理想や成⻑の実現」に向けて,プラスの多さに着⽬するモード
    自己制御システムには[報酬]の存在に接近し報酬の不在を回避しようとする
  2. 予防焦点:
    「義務や安全の確保」に向けて,マイナスの回避に着⽬するモード
     []の不在に接近し罰の存在を回避しようとする

適応戦略パターン

この動機付けのスキーマの、促進焦点の高さと予防焦点の高さの2つの特性を2軸として直交座標系の4象限で4つのタイプを表わします。

〈統合的〉とラベルづけされた象限では、促進欲求予防欲求のバランスがとれていて、問題を解決して緊張と不安を解消して、よく発達した将来に対する関心、欲求の満足を遅らせるコントロール、選択肢に対する好奇心、計画を実行する自信が見受けられます。

〈適応的・周辺を見る〉という象限は、未来を見ることを最小限に抑えた促進重視の姿勢を表しています。このパターンの人は、問題が発生したときになってから、解決策を探し回ります。

〈適応的・未来を見る〉の象限は、焦点が高い予防に重点を置き、関心好奇心という適応リソースを他人から押しつけられた選択肢を深く追求することに使い、自分で選択した代替案を見出すことはしません。

〈機能不全〉と示された象限は、 キャリアアダブタビリティのリソースが限られていて意欲がない状態を示しています。キャリアに関する决断を迫られたとき、この象限にいる人たちは先を見たり、可能性のある選択肢を探し回ったりするのではなく、ただ傷つくことのないようにするだけなのです。

関心と好奇心の組み合わせ

 関心好奇心の組み合わせは〈未来を見る〉という視点を使い、 コントロール自信の組み合わせは〈周辺を見る〉という概念を使います。 これらの視点は、既存の理論的根拠に依拠したものでなく、人間中心の研究とキャリアアダブタビリティ尺度(Savickas & Porfeli, 2012)のスコアプロファイルから経験的に導いたものです。

動機づけスキーマと適応戦略との組み合わせにおける4人

 上の座標系の4つのタイプにこの物語の主人公の4人を割り当ててみました。

仕事の役割

[前提19]個人はエージェントとなり、動機づけスキーマと適応戦略を用いて人生を方向づけます。そして自己概念を実行に移し、好みの行動を選び、キャリア目標を追求する仕事の役割を選びます。

  • 仕事上の役割の好みは、先天的な適性・身体構造・役割の承認などが相互に作用して発達します。
  • 役割は、空想の中やカウンセリング面接の中、あるいは趣味や活動の中で演じられて、周りからのフィードバックによって発展します。最初に自分と環境が適合する居場所(ニッチ)を、趣味と専攻の学科の中で見つけることかできます。多くの場合、職業が最終的に主要な社会的ニッチとなり、経済的生存のための戦略となります。
  • 職業は中核となりますが、その他の役割、学生・親・主婦・余暇活動・市民など、他の人生の役割が中核になる場合もあります。(キャリアライフレインボーだ!Bunさん)
  • 人生の役割や職業選択や好みの選択は、社会の慣習・偏見・イデオロギーによって制約され、必ずしも個人の自由選択ではありません。
  • 人は職業特性や社会的環境によってアクターのタイプが変わるため、自分の職業能力と興味が、職業上の要求と報酬にマッチしているかどうかを基盤としながらも、さまざまな職業に就くことが可能です。
  • 仕事の満足度は、選んだ職業の中で自己を確立することによって決まります。確立するには、その場での成長や異なる分野への探索という経験を繰り返し、ある職業での役割が、自身のニーズや価値を満たし、興味を表現するのに適していると思えることです。
  • 個人のキャリアパターン(職業レベル、仕事のパターン、回数、期間)は、通常、両親の社会経済レベルや、その人の教育・能力・性格・自己概念・社会の影響を受けて遭遇する機会をどう生かすかによって決まります。
  • 客観的なキャリアパターンは履歴書に記録されますが、主観的なキャリアは個人か自分のワークライフを語るストーリーになります。キャリアストーリーは、自己概念を持つオーサー(自伝著者)によって著述されます。
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