感情を「知覚・認知心理学 ’23」放送大学テキストを参照しながら、少し科学的視点で見たいと思います。
感情を式で表すと
Eysenck と Keane によれば
という式で表せるとしてます。
その特徴を整理すると
情動(emotion) | 気分(mood) | |
生起の刺激対象 | 特定 | 曖昧 |
身体反応 | 伴う | 心的 |
強度 | 強い | 低い |
持続時間 | 短い | 長い |
例 | 楽しい、悲しい | 何となく、ブルーな気分 |
もちろん境界はあいまいで、情動から気分に移行したり、その逆もあります。
このEysenckはドイツの心理学者のハンス・ユルゲン・アイゼンクのようです。彼はフロイトの「無意識下に存在する過去の記憶や感情が原因となり、神経症をはじめとした精神疾患が起きる」との精神分析には批判的で「不適切な学習によって神経症が引き起こされる」と考え、それを行動療法によって治療しようと試みました。
フロイトも科学的に心に取り組んだ先駆者と思いますが、より論理的な捉え方をしているかとお見受けしました。後日談としては「没後21年となる2019年に論文の不正が指摘され、大学により25報の共著論文が「安全ではない」とされた。最終的に学術誌により71論文に対して懸念表明がなされ、14論文が撤回された。」(wikiより)
感情を色分けすると
虹の7色とか7音階とか、人は何かを構成するカテゴリーを数で表す傾向があります。感情においても基本感情を個別カテゴリー表すことがあります。
それが 基本感情モデル/カテゴリーモデル です。
Ekmanらは表情の研究を通して、6つの基本情動表現を示し。進化の過程で形成されすべての文化で見られるものとしました。
としました。
仏教では 7情 というそうです。
感情の繋がりや次元
さらに感情を独立したカテゴリーで捉えるのではなく、連続に変化するものとして次元や軸に配置した
次元モデル(Russel & Barret 1999)で2次元で表した
「快ー不快」「喜びー悲しみ」次元
「覚醒ー非覚醒」次元
また感情を動機付けの観点から
接近ー回避次元(approach-withdrawal)モデル (Davidson et al. 1990)では
接近情動(幸せ、驚き、怒り) ⇔ 回避情動(悲しみ、嫌悪、恐れ)

これらの感情の発生にメカニズムは続編で触れたいと思います。
コメント