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Appreciative Inquiry(1)

 昨年末にラボの輪読会の候補本の “Appreciative Inquiry (David L. Cooperrider, Diana Whitney)” の輪読会が始まりました。

 改めて、Appreciative Inquiry の原点は、


1980年に米国ケース・ウエスタン・リザーブ大学 の博士課程の学生であった David L. Cooperrider が、 アメリカ国内の心臓外科の分野で最も高く評価されていたクリーブランド・クリニックにおいて、 病院が最も効果的に機能する要因について分析していたところから始まっている。 Cooperrider は、 病院のリーダーに成功と失敗の話をするように伝えると、リーダー達は失敗の話をしているときと比較して、 最も効果的だったときの話をするとき、非常に積極的で協力的に話し始めることに気づいた。この発見の結果から, 医師のリーダーシップと組織が最も効果的で最善であったときのデータだけを見ることにし, 医療センターで効果的に機能している点に焦点をあて始めた。そのころ公刊された Gergen の 「Toward Transformation in Social Knowledge」 という社会構成主義に影響を受けながら、1986年に博士論文を完成し, Cooperrider は 指導教官のSrivastva とともに, 1986年には, 「The Emergence of the Egalitarian Organization」 を、 1987年には、「Appreciative Inquiry in Organizational Life」 を公刊した。(甲南経営研究 第58巻第4号 (2018.2)より)

 今回の本は2005年にDavid L. CooperriderがAIを世界中で推進するDiana Whitneyと出版した”Appreciative Inquiry (David L. Cooperrider, Diana Whitney)” です。96ページと手ごろな長さで、提唱者のDavid L. Cooperrider自身の言葉を通して、AIを学ぶに良いかと取り上げました。

適宜各章のピックアップをここで紹介します。

目次

第1章 An Invitation to the Positive Revolution in Change

第1章は「変化におけるポジティブ革命への招待」とあるように、導入になります。ミシガン大学のロバート・クイン教授の「組織開発とチェンジマネジメントの分野においてポジティブな革命を創造すること」とあるように、これまでの組織の「どの組織も、その本質において、解決すべき問題はないと宣言しています。」に対する革命を宣言しています。

ここでの組織開発とチェンジマネジメントは、「戦略パートナー/チェンジ・エージェントとしての人事部が取り組む組織開発」(経営行動科学第27 巻第1号 南山大学 中村和彦他)を参照して下表のように理解しました。

チェンジ・マネジメント組織開発
強調点 エリート・プロセスパーティシペイトリー・プロセス
実行者少数派の人多くの人
バリュー経済的な価値人間尊重のヒューマニティックな価値
焦点技術的なことを中心プロセスを支援
メソッドディレクティングファシリテーションとコーチング
マッキンゼー、ボストン・コンサルティングのアプローチフューチャーサーチ、AI

つまりAI(ボトムアップ)は、このチェンジ・マネジメント(トップダウン)をひっくり返し、加えてチェンジ・マネジメントと組織開発の双方に前向きで強みの(ポジティブ)アプローチを提供するとしています。

このアプローチは、Cooperriderが病院で体験した失敗よりも成功の話が効果的だったように、組織においても問題の特定よりも前向きな仮定から始めることと繋がっていると理解しました。

その成功例として、1999年にベル・アトランティックと合併し、ベライゾンとなるGTEが1997年にアプリシエイティブ・インクワイアリー(AI)の活用によりASTD賞を受賞したケースを紹介しています。

STEP
行ったのは

・50名を超える変革推進者に加え、最前線の800名の従業員にAIの研修を実施
良いニュースは全社的に共有、社内ニュースレターにも掲載
・ニュースで重視したのは従業員や顧客サービスにおける成功
・労働組合と会社経営陣のパートナーシップに導入

STEP
その結果

コールセンターの効率が向上
労働組合と経営陣のパートナーシップが立ち上がる
前線のリーダーシップを高めるプログラムが構築

STEP
GTEの社長のトム・ホワイトは語ります

「AIは、問題を見つけて解決することよりも、はるかに良い結果をもたらすことができます。電話会社は世界で最も優れた問題解決者の一つですが、小さな影響を与える問題を修正するために、膨大なリソースを集中させています。このアプローチは、長期間継続的に行うとネガティブな文化を導くことになるかもしれません。この問題を見つけて解決することよりAIは、はるかに良い結果をもたらすことができます。…誤解しないでください。私は無意味な楽観的トークを提唱しているわけではありません。AIは、物事をより良くするために設計された複雑な科学です。私たちは問題を無視できません—ただ、反対側からアプローチする必要があるのです。」

次の第2章で、導入から What is Appreciative Inquiry? AIて何?に入ります。

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