前の講座メモ1で紹介した技法とロープレ演習を学んだあとに、キャリアコンサルタント自身の自己理解のワークを行う予定です。
前の講座メモ1で触れたようにカール・ロジャーズは
「人は本来的に成長していこうとする力を持っている」
「それを十分発揮できる条件が整えば、開花し成長していく」」
という人間観を持っています。
そしてその開花成長する条件とは”The necessary and sufficient conditions of therapeutic personality change”(1957年)に記された主要3条件(受容・共感・自己一致)を含む6条件になります。その条件が持続するとクライエントに人格的変化が起きると述べてます。
この人格的変化とはどんなことでしょうか?
“A Theory Therapy, Personality and Interpersonal Relationships as Developed in the Client-center Framework”(1959年 )に詳しくあり、人格的変化とはクライエントの「自己の経験(実際のそうある自己)」と「自己の概念(こうありたい、あるべき、あるはずの自己)」との不一致が一致に変わることが示されています。つまり、カウンセラーが自己一致している状態で、クライエントに対して無条件の肯定的関心(受容)を示すことで、クライエントが「自己の経験」に脅威を感じることなく自己に取り込み、「自己の概念」を再構成し、新たな両者の一致を手に入れます。
したがって、カウンセラーにもクライエントにも「自己の経験」と「自己の概念」の理解、すなわち自己理解を必要とします。クライエントは自己不一致の状態ですが、カウンセラーはすでに自己一致していなければなりません。観点を変えると、クライエントに自己一致のための自己理解の効用を説くには、自分自身が自己理解によって自己一致して人格変容した時のありがたみを経験していないと自信を持ってカウンセリングが進められないでしょう。
まとめると、
- カウンセラーはクライエントが来談する以前に自分自身が自己一致するための自己理解が必要となる。
- カウンセラーは自分自身が自己理解により自己一致することで得られる人格変化のありがたみにより自信をもってカウンセリングが進められる。
と考えられます。

こんな理由でこの自己理解のワークが組まれていると説明したいと思います。
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