キャリアカウンセリングのプロセスに、幾つかの動機理論を応用した支援方法を提案しています。
PMPA-1:マズローの欲求階層説の5段階を参照した相談者の問題を構造した「問題地図」と、基本的なカウンセリング技法及びロジャーズの来談者中心療法を構造に合わせて適用する「ポイントアプローチ」を組み合わせ、クライエントの自己実現欲求の生起を支援する。
PMPA-2:PMPA-1で生起した自己実現欲求を活かす支援として、デシとライアンの自己決定理論の視点を取り入れた、3つの基本的心理欲求に対する支援を行い、クライエントは自律的に目標を見出します。
今回は、PMPA-2の補足になります。PMPA-2で得られたクライエントの目標を3つの基本的心理を満たす要素で整理します。さらに、ヒギンズの「調節焦点」の視点を取り入れ、クライエントの「マインドセット(促進/予防)」に合わせた表現にブラッシュアップし、より響く「フレーズ」にします。
PMPAー2(補足):自己実現へ向けてのブラッシュアップと最適化
前に取り上げた学生A君の自己実現にむけての目標として「秋のインターンに、自分のやりたい仕事が出来そうな会社で、将来の予行演習を試みる」が出てきた場合で考えます。
「3つの基本心理的欲求」に基づくブラッシュアップ
上記目標に以下の視点で、3つの欲求を満たす要素が含まれているか確認します。
- 自律性(Autonomy): 「どう達成するか」の手段やアプローチを自分で決める余白を作る。
- 有能感(Competence): 達成することで自分の成長とそのメタ認知を実感できるようにする。
- 関係性(Relatedness): この目標達成が、家族やクラスの友人との関係性を高められるか確認する。
ブラッシュアップ例:
「秋のインターンへの行動」に対し、「自分で選んだほんとうにやりたい仕事を(自律性)、実際に予行演習することで力試しする(有能感)、前向きに就活へ向かう姿で家族や友人の心配や懸念を払しょくする(関係性)」という意味付けを行います。
ヒギンズの「調節焦点」に合わせて言葉を翻訳する
続いて、完成した目標を本人と共有し味わいながら、A君の「マインドセット(促進/予防)」に合わせて表現のカスタマイズを行います。同じ目標でも、響く「フレーズ」に変えることで行動のスイッチが入ることを期待します。注意点としては、クライエントの自律性を尊び、あくまでも一提案として、押しつけや教示にならないようフィードバックします。
促進焦点タイプのクライエントの場合
得られる成果・挑戦にフォーカスして、かかわりの言葉をチョイスします。
- 目標表現: 「自分の強みを果敢に発揮して、インターン先に興味を持ってもらいましょう」
- アプローチ: 「Aさんならではの提案もどんどん試して、入社後の可能性をアピールするチャンスにしませんか?」
予防焦点タイプへの翻訳
確実性・リスク回避・責任にフォーカス、かかわりの言葉をチョイスします。
- 目標表現: 「先ずは、インターン期間をつつがなく過ごして、インターン先の信頼を得ましょう」
- アプローチ: 「インターン前の準備をしっかり行い、また期間中は体調を整えベストで臨みましょう!」
今日のまとめ
今日の補足で、
- デシ・ライアンの「3つの基本心理的欲求」を活用して、「自分のための目標」だと腹落ちしてもらい
- ヒギンズの「調節焦点」により、その人の焦点タイプに合った「自分が一番動きやすい言葉」で背中を押してあげる
この補足ステップを踏むことで、自己実現へ向けて、外発的な単なる数値管理の目標設定ではなく、「自律的に動き出し、高いパフォーマンスを出し続ける目標」へと進化させることを目指します。
以上でPMPA法の提案は一旦完といたします。

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