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サビカス輪読会(第5章)

いよいよ最終章では、キャリア構築インタビューの結果を元にカウンセラーが書き上げた人生のポートレイトの初稿をクライエントに語る第2セッションが始まります。そこでクライアントは自身のインタビューの回答に基づいてカウンセラーが描いたポートレートにより今回の転機を深く理解し、自身の方向性を形成し、未来への目標を設定し、行動のプランを建てます。この共構築が完成すると、このセッションを閉じてカウンセリングのゴールを迎えます。そして…

目次

Retelling the Story

ここで進め方は、

Have clients hear their life portraits and reflect upon what they know implicitly yet have not made explicit to themselves or announced to other people.
クライアントに自分の人生のポートレートを聞いてもらい、暗黙のうちに知っていても、自分自身に明示したり、他の人に話していなかったことを振り返ってもらいます

Counselors proceed slowly and pause after each segment.
カウンセラーは、ゆっくりと進めると共に、各セグメントの後に間をおきます

They encourage clients to hold the portrait in mind as they reflect and self-explore.
カウンセラーは、クライアントがポートレイトを心に留めながらも、内省し自己探索することを奨めます。

Counselors want clients to dwell in their stories and begin to envision possibilities.
カウンセラーは、クライエントが自分自身の物語の中で、様々な可能性を思い描き始めることを望みます。

They unlock meaning not impose it.
(つまり)カウンセラーは人生の意味を押し付けるのではなく、(クライエントに)その意味を解き放ちます

They continuously prompt clients to engage in retrospective reflection about past experiences and prospective reflexivity about the future.
彼らは、クライアントが過去の経験について振り返り、未来について予想される再帰へ、向かうよう促し続けます。

ゴロワーズ

この作業はカウンセラー主導で始まりますが、最終的には解き放たれたクライエントが主体に未来へ立ち向かうのが目的のようです。

でわ、各ステップを見ていきましょう。

ER

Counselors begin a retelling with the perspective from the first ER to set the scene and create a context for the dialogue.
カウンセラーは、最初のERの視点から語り直しを開始し、場面を設定し、対話の文脈を作成します。

ERs describe issues that clients need to deal with during CCC.
ERはCCCを通してクライアントが対処する必要がある問題を記します。

Together client and counselor deconstruct any haunting assumptions or self-negating beliefs.
クライエントとカウンセラーが一緒に、心に留まる思い込みや自己否定的な信念を解体します。

After fully attending to the first ER, counselors in turn discuss and deconstruct the remaining two ERs.
カウンセラーは、最初のERに完全に対応した後、残りの2つのERについても話し合い、解体します

As a part of deconstructing a self-negating idea, counselors increase clients’ sense of agency by externalizing the issue (White & Epson, 1990).
カウンセラーは、自己否定的な考えを解体する一環として、問題を外在化することで、クライエントの主体性を高めます(White & Epson, 1990)。

They convince clients that they are not the problem, the problem is the problem.
カウンセラーはクライアントに、自分たちが問題なのではなく、問題自体が問題なのだと確信させます。

After discussing each ER in turn, counselors then unify them, if possible, by reading the three headlines one after another showing how the headlines actually tell a story in and of themselves.
各ERについて順番に話し合った後、カウンセラーは、可能であれば、3つの見出しを次々に読み上げて、見出しが実際にどのように物語っているかを示すことで、ERを統合します。

This step in the retelling typically sets a perspective and introduces a theme that will be traced in going forward.
語り直しでこのステップは、通常、ひとつの視点を設定し、今後トレースされるテーマを導入します。

ゴロワーズ

「問題を外在化することで、クライエントの主体性を高め」さらに「自分たちが問題なのではなく、問題自体が問題」により、何でも自分が悪いと思い込む自己否定を解体するためのアプローチ良いですね。

ERにより、今後考える上での、視点とテーマを特定した後、次のステップでクライアントのロールモデルが示す属性について話し合うことに移ります。

role model

This retelling helps clients understand why a hero or heroine was so important to them, and how they have incorporated into their self-construction the very attributes that they most admired.
この語り直しは、なぜヒーローやヒロインが自分にとってそれほど重要だったのか、そして彼らが最も憧れたまさにその属性をどのように自己構築に組み込んだのかを理解するのに役立ちます。

The aim is to describe how the client needed these characteristics to solve problems in growing up; and, thus why the client incorporated them in their self-construction.
目的は、クライアントが成長の中で問題を解決するためこれらの特性(属性)をどのように必要としたかを説明することです。そして、なぜクライアントはそれらを自己構築に取り入れたのかです。

The attributes are explicitly linked to the ERs. For example, if an ER ripples with fear, then the role models respond with courage.

その属性ER に明示的にリンクされます。例えば、ERが恐怖で波紋を呼んだ場合、ロールモデルは勇気を持って対応します。

ロールモデルを自分に取り込んでいる理由ERとのリンクを明らかにするステップでした。次にクライエントの注意を職業上の興味に向けさせます。

interests

After describing the client’s unique interests and aspirations, counselors find that many clients have identified the occupation that they wish to pursue.
カウンセラーは、クライエントの固有の興味や願望を述べた後、多くのクライエントが自分のやりたい職業を特定していることに気づきます。

For clients who still seem uncertain, counselors compose and discuss a list of congruent occupations based on their appraisal of clients’ manifest interests and RIASEC codes. カウンセラーは、まだ確信が持てないクライエントに対して、クライエントの明白な関心事とRIASECコードの評価に基づいて、一致する職業のリストを作成し、話し合います。

ERとリンクしたロールモデルの活躍したい場面(職業)を確かめたら、次はクライアントがその職業の舞台のシナリオを読み解きます。

favorite story

The current favorite story from a movie or book is now retold with the client as the central character.
映画や本で現在好きなストーリーが、クライアントを主人公に語り直されるようになりました。

The script usually contains the answer to the questions that clients brought to counseling.
スクリプトには通常、クライアントがカウンセリングに持ち込んだ質問に対する答えが含まれています。

Clients had expected that the counselor would answer those questions, and now are surprised as well as pleased to learn that they themselves had the answers all along.
クライエントは、カウンセラーがこれらの質問に答えてくれることを期待していましたが、今では、自分自身が最初から答えを持っていたことを知って、驚くと同時に喜んでいます

自分の好きなストーリーの中に先のシナリオが入っていることを知ることになるようです。

favorite saying and advice

Counselors should vividly explain to clients that their favorite saying instructs them in how to begin performing the new scene.
カウンセラーは、クライエントが自分の好きなことわざにより、新しいシーンの演じ方を教えてもらえるよう、生き生きと説明するべきです。

Counselors may continue to use the script metaphor and explain the advice as the director guiding the actor.
カウンセラーは、脚本の比喩を使い続け、監督が俳優を導くようにアドバイスを説明することができます。

Off course in this instance actors direct themselves.
もちろん、この場合、俳優(クライエント)は自分自身を演出します。

未来の新しいシーンの中でいかに演ずるかのヒントが好きなことわざアドバイスになるようです。

プロセスのこの時点で、カウンセラーはこれまでに達成されたことを要約しながら、クライエント本人の理解が深まった人生のポートレートにまとめて、次のアクションプランへ移ります。

Action Planning

STEP
purpose

Together client and counselor consider whether discussing the life portrait accomplished what the client initially sought from counseling.
クライエントとカウンセラーは一緒に、人生のポートレートについて話し合うことで、クライエントが最初にカウンセリングに求めていたことを達成したかどうかを検討します。

STEP
new intentions

Next, counselors move clients to articulate their new intentions.
次に、カウンセラーはクライエントに新しい意図(人生の意味)を明確させます。

STEP
set goals

Having clarified purpose and declared intentions, clients then set goals that chart a direction through possibilities and constraints.
目的を明確にし、意図を宣言した上で、クライアントは可能性と制約を通じて方向性を示す目標を設定します。

STEP
co-construct a plan

Client and counselor co-construct a plan for strategic changes and tactical actions that can test the provisional understandings generated during counseling.
クライエントとカウンセラーは、カウンセリング中に得られた暫定的な理解をテストできる戦略的変更と戦術的行動の計画を共同で構築します。

STEP
audiences

Almost every action plan should include clients telling their re-authored stories to important audiences.
ほとんどすべてのアクションプランには、クライアントが再執筆したストーリーを重要な観客に伝えることを含める必要があります。

Because clients will play new roles in concert with others, they must learn how well the company of close relationships will accommodate the revised story.
クライアントは他の人と協力して新しい役割を演ずるならば、親しい仲間が修正された物語にどれくらい受け入れられるかを知る必要があります。

STEP
Narratability

Increasing clients’ narratability is another goal of CCC. Being able to articulate a life purpose is strongly associated with life satisfaction (Bronk, Hill, Lapsley, Talib, Finch, 2009).

クライアントの物語性を高めることもCCCのもうひとつの目標です。人生の目的を明確にできることは、人生の満足度と強く関連しています(Bronk、Hill、Lapsley、Talib、Finch、2009)。

STEP
Action

But more than a plan and rehearsal are needed; actions must be taken.

しかし、もう計画やリハーサル以上のものが必要です。ついにアクションを実行すべきときです。

以上で、共構築した目標とアクションプランは、最後に実現するために必要な仲間に新たな物語をリハーサルして効果を確認後に実行する必要があると述べています。

ゴロワーズ

やっとゴールに来ました。カウンセラーの描いたポートレイトを自分の物語に変えて、どのように演ずるかを知ったうえで実行の時が来ました!

Closing Session Two

To complete the second session, counselors read aloud the client’s response to the entry question of how counseling could be useful and then ask the client, Have we done that? When the answer is yes, the session is complete and the counselor sets an appointment for the client to return in a month to report the results of plan enactment.
2回目のセッションでは、カウンセラーが「カウンセリングが何か役立ちましたか?」という最初の質問に対するクライエントの回答を読み上げ、クライエントに「私たちはそれをしましたか?」と尋ねます。答えが「はい」の場合、セッションは完了し、カウンセラーはクライアントがプランを演じた結果を報告するために1か月後に再訪する予約を設定します。

Constructionist counselors say goodbye by repeating clients’ favorite sayings to them as they prepare to leave.
コンストラクショニストのカウンセラーは、クライエントの好きな言葉を繰り返すことで別れを告げます

ゴロワーズ

最後の終わりの挨拶も、クライエントの好きな言葉で締めくくる。最後までクライエント中心かつナラティブなサビカス先生でした。

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