気になるワード「character arc(キャラクターアーク)」
Career Construction Counseling Manualの第4章のTask3(step3)は、カウンセラーがCCIの5つの質問に対するクライエントの回答から、ERの「初期の問題とその後も続く問題」に対する解決策である「ロールモデルの構築」を書き出す核心部分になります。
そこで気になるワードが・・
の中のcharacter arc(キャラクターアーク)が気になりました。
Wikiの「キャラクターアーク」を参照
物語にキャラクターアークがある場合、キャラクターは何らかの人物として始まり、物語の展開に応じて少しずつ異なる種類の人間へと変化していく。その変化とは、精神面の本質的な変容であることが多く、1つの人格的特性が正反対の特性(例えば、貪欲から博愛へ)に変わるため、この劇的な変化を表現するために幾何学的用語の「弧」(アーク)を使用することが多い。キャラクターアークは必ずしも善人に変わることだけを意味するわけではなく、悪人や狂人になることも含まれている。ほとんどの物語では、主人公がキャラクターアークを経験する可能性が最も高いが[2]、脇役も内面の変化を経験することがよくある。
つまり、ERを解決するためのロールモデルが変容する様子をこのcharacter arc(キャラクターアーク)というワードで表現したようです。

何故、「弧」(アーク)としたのか気になりますよね?
早速、Wikiの参考文献[2]のK.M., ワイランド (2019). 『キャラクターからつくる物語創作再入門 「キャラクターアーク」で読者の心をつかむ』を購入しました!
するとこの変容する軌跡「キャラクターアーク」の変化の原因を「主人公が信じている嘘」と記されていました。かなり刺激的な表現ですが気になって、思わず読み続けました。
参考文献を斜め読み
先ずは一般論(飛ばしても良いです)
主人公がたどる変化の軌跡を「キャラクターアーク」と呼ぶそうです。
- 主人公がある状態で登場する
- 主人公が物語の中で何か学ぶ
- 主人公が前より良い状態になる
またキャラクターアークには三つの基本形
- ポジティブな変化のアーク 最も好まれ共感を得るアーク 『マイティーソー』
- フラットなアーク 初めから主人公のあり方が完成しているアーク
- ネガティブな変化のアーク ポジティブの逆で人物が転落します
次にポジティブな変化のアークについて詳しく説明しています。
ここから核心部
プロット(物語)が進むにつれて、「ほしいものがなぜ手に入らないのかに気づいて」主人公は変わっていくそうです。
何度も失敗する理由は、
- それを欲しがること自体間違いだから
- 自分の考え方や方法がことごとく間違っているから
マイティーソーで考えてみる
マイティーソーのあらすじに合わせ、文献を参考に上の意味を考えてみました。
1幕
神の国の国王を父に持つソーは、王位継承の儀式に臨んでいましたが、氷の巨人が襲撃し、儀式は中止に。国王が氷の巨人を撃退しましたが、ソーは激怒して仲間の危険を顧みずに攻め込み、その未熟さに落胆した国王は、神器と一緒に追放します。
2幕
追放されたソーは、ジェーンと出会います。一方の神器は別の場所に落とされ、回収されていました。ソーは神器を取り戻すために潜入し神器を発見しましたが、ところがそれを持ち上げることすら出来ず、ひどく落胆しました。そのころソーの弟であるロキは自身が国王の息子ではないことを知り、国王が深い眠りについている間に乗っ取りを企てます。一方、ロキを不審に思ったソーの仲間たちは、ソーの場所に訪れソーの力を取り戻すのに一緒に戦い、やがて合流してロキと対峙するために故郷に戻りました。
3幕
ロキは実の父をそそのかし、国王を殺害に来たところを逆に返り討ちにしました。実の父を倒すことで、英雄になろうとしたのです。その頃、ソーが帰還しロキと対峙し苦戦すると、弟はソーを殺そうとし、平和な故郷を攻撃しますが、ソーは戦うことを止めて自分の命を投げ出しました。その時、ロキは自ら死を選び、時空のはざまへ落ちていきました。国王はソーに王の資質があると認めましたが、ソーは自分はまだ王にふさわしくないと王位継承を保留したのでした。
どうやらこの後の展開が、シリーズの「アベンジャーズ」につながっているようです。
ここまでで思うこと
つまり最初のロールモデルに幼少期の「初期の問題とその後も続く問題」自体に思い込みや誤解があった場合、ソーのように「WANT」を求めうまくいかず挫折や違和感を味わったりするかも知れません。その中で試行錯誤をしながらやがて本当の「NEEDS」に気づきはじめ、目指すゴールに合わせロールモデルが変容していく軌跡を「キャラクターアーク」と名付けているとするとしっくりきます。
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