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心理分析に必要な姿勢(1)

ウィルフレッド・ビオン(Wilfred Ruprecht Bion)はイギリス生まれで医師としての他に精神分析家でもあります。そのきっかけとして「第二次世界大戦ではビオンは戦争神経症の治療を軍部ですることになり、その際にグループワークに携わることになった。この時の経験が、基底想定グループの研究へとつながった。」(Wikipedia)らしいです。

ビオンさんは精神分析に必要な態度(姿勢に言い換えます)として ”Without memory, desire, or understanding” (Notes on memory and desire, Psycho-analytic Forum, vol. II n° 3 pp. 271 – 280) を挙げています。
記憶なく、欲望なく、理解なく」それはクライエントを完全に理解する事は出来ない「知らないでいること」に持ちこたえて「事実」が直観されるの必要なこととしてます。

もう少し読み解くと、

記憶なく:カウンセラー自身の経験や学習で蓄積された知識等の記憶をそのまま目の前にいるクライエントに結び付けて辻褄合わせしてはならない。
欲望なく:カウンセラー自身の望みでクライエントにこうあって欲しい、こうなって欲しいと独りよがりになること。
理解なく:カウンセラー自身の概念的(内的)枠組みにクライエントを当てはめて理解しようとすること。

つまり、

カウンセリング的な理解とは、このような姿勢で先入観なく人と接する事で、思いもよらぬ気づきや展開になるとの意味と理解しました。そのためにも自分自身の先入観の基となる自己理解を深めて、自分と他者との違いを客観化する事で、ロジャーズの自己一致に近づく事が出来ると思います。

ゴロワーズ

Without memory, desire, or understanding 私のモットーになりそうです。「心理カウンセリング序説」(放送大学)で知りました。

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