“Happiness only real when shared” キャリア原書輪読会より 詳細

キャリアコンサルタント養成計画の今(続)

昨年の今頃、「キャリアコンサルタント養成計画の今」を投稿し、今年2024年度末に10万人計画が1年遅れで到達を予測しました。国家資格キャリアコンサルタントの28回の結果及びキャリアコンサルティング技能士2級の33回の結果が出ましたのでその進捗を確認しました。

改めて10万人計画とは、

平成26年7月産業競争力会議「雇用・人材分科会」の中間整理(平成25年12月)等を踏まえ、キャリア・コンサルタント養成計画を策定(能発0730第1号4数値目標)より標準レベルのキャリア・コンサルタント及びキャリアコンサルティング技能士の累計養成数を平成36年度末(2024年度末)に10万人とすることを数値目標としています。

現時点で、標準レベルのキャリア・コンサルタント及びキャリアコンサルティング技能士の累計養成数は、国家資格キャリアコンサルタント登録数が、2024年度末(2025/3)時点で(第28回試験終了時点)、79,561名で、キャリアコンサルティング技能士の総数は、2024年度末時点(第33回試験終了時点)で、13,097名(2級12,324名、1級773名)で合計92,658名となっています。

予想した2024年度3月末の結果は10万人に届きませんでした。ただこの後の国家資格キャリアコンサルタントの29回(7月)、30回(11月)の試験の合格者を 9000人程度と見積もると年末にはついに数値目標の10万人を突破になりそうです。

この数値目標である累計養成数の多くの割合を占めるのは国家資格キャリアコンサルタントの登録数(79,561人/92,658人=86%)になります。この登録数は日本キャリア開発協会(以降JCDA)と特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会(以降キャリ協)の二団体で構成されています。各団体で比較しながら受験者の推移を可視化しました。

受験者は毎回増え続けています。第15回のピークは第14回の直前に感染症で受験を回避した方々と延期になった分の受験生が集中したことによる特異点です。それを除くと受験生全体は順調に伸び続けています。団体ごとで見るとキャリ協の受験者数が近年一段と伸びているのに対して、JCDAは第15回以降は下がり続けて3倍程度まで差が開いているのが判ります。

原因の一つは感染症をきっかけにオンライン受講クラスが増え、各地に開催拠点を持つJCDAの有力団体の養成講座を受けるメリットが減ったのではと考えられます。もう一つの理由は、キャリ協は面接試験の日をある程度選択できますが、JCDAは一義的に決められ選択肢はありません。つまり受験生から見ると養成講座が日本中どこでも受けられるようになり養成講座の選択肢が増えたこと、試験日の日数が多く選択肢があるキャリ協を選ぶという傾向を示していると思います。

合格率を確認すると、

受験回により多少異なりますが、これは団体ごとの合格率に差が出ないよう何らかの意図で調整されている感があります。目標点が学科も実技も6割程度に設定しているようです。このような回による調整は受験者から見るとあまり好ましいとは言えないと思います。

結果として、登録数につながる合格者の総数は順調に増えていますが、キャリ協の伸びに対してJCDAが減少していく傾向は変わりませんでした。この傾向が続くと試験の実技試験の運営も難しく成るかも知れません。そろそろ2団体に分かれている理由、それが受験生にとってどんな意味があると考えているのかをきちんと受験生に伝える必要があるかも知れません。

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