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カウンセリングに必要な姿勢(講座メモ4)

キャリアコンサルタントが、「カウンセリングで相談者と向き合うときに必要な姿勢とは…」を話すとしたら、何でしょうか?

それは養成講座も半ばになると、最初は出来なくて当たり前のロールプレイが壁にぶつかり、前半学んだ様々な理論や技法が返って足かせにもなり、手も足も出なくなる。そんな時に受講生に「話す」としたら…

先ずは、私が同じような時に心に刺さった哲学・心理学・キャリアカウンセリングの理論家の言葉を整理してみたいと思います。それを紹介し、どれか腑に落ちるものが一つでもあれば良いのでは?と思いました。

最初に、キャリアカウンセリングの原典と言われるカール・R・ロジャーズのクライエント中心療法の受容・共感・自己一致から、

原典:受容的態度(無条件の肯定的配慮)

 相手をかけがえのない独自の存在として尊重し、どんな相手であっても、あるいはその人の考え方や行動が容認できなくても、選択したり、評価したりせず、無条件(カウンセラー側の条件をつけない)にその存在を受け入れること。
 このロジャーズの人間観の根本には、人は本来的に成長していこうとしている。したがってそのエネルギーを発露する条件を整えてあげれば、それが開花し成長していくという考えがあります。この態度が、自己不一致で不安な相談者に、この場が安心安全な容器であると感じて頂けることを目指します。

ただ、これを実現するのはなかなか難しいと思います。その難しさを語るように、それを克服するための、さらに様々な例えを紹介します。

例え①:タブラ・ラサ(白紙状態)

経験主義の理論家ジョン・ロックが提唱した「生まれたばかりの人間は知識や経験がなく、その後の教育や経験が性格や能力を形成するという考え方。」を心理学では以下のような効果で用いられます

タブラ・ラサ(白紙状態)
 ・思いこみ/勘違いなどの認知の歪み(思考の癖)をいったん白紙に戻すため、心の中でリセットと呟く
 ・予め得た知識や先入観を捨て、相談者から直接発せられる言葉で白いキャンバスに描く
 ・日常のしがらみや仕事での役割から解き放たれて自由になり、真にカウンセラーになり切る。

例え②:「記憶なく、欲望なく、理解なく

イギリス生まれの精神分析家ウィルフレッド・ビオンの”Without memory, desire, or understanding”、それはクライエントを完全に理解する事は出来ない「知らないでいること」に持ちこたえて「事実」が直観されるの必要なこととしてます。アリストテレスの語る「無知の知」に通じますね。以前も紹介しましたが、以下のような意味があるかと思います。

無知の知
 記憶なく:カウンセラー自身の経験や学習で蓄積された知識等の記憶をそのまま目の前にいるクライエントに結び付けて辻褄合わせしてはならない。
 欲望なく:カウンセラー自身の望みでクライエントにこうあって欲しい、こうなって欲しいと独りよがりになることなく。
 理解なく:カウンセラー自身の概念的(内的)枠組みにクライエントを当てはめて理解しようとすることなく。

この二つの例えも、未だきれいごとに感ずる人もいると思います。

そこで、視点を変えて

視点①「蛇のように賢く、鳩のように素直でありなさい

これはイエスが12弟子を伝道のためにこの世に派遣したときのことばです。この言葉の前に「わたしは狼の中に羊を送り出すようにして、あなたがたを遣わします。」からこの言葉になりました。

イエスの言葉
 鳩のように素直:相談者と接するときは平和と無垢の象徴の鳩のように、素直に謙虚に接する。
 蛇のように賢く:しかし無垢なだけではなく、客観的に相談者を観察し、俯瞰的な視点で相談の場をみる。

視点②「答えを提示することではなく、問いかける」

Mark L. Savickasは、”Career Construction Counseling Manual”の中で以下のように語ります。

カウンセラーは(サビカス)
 第一に、”Career Construction Counseling Manual”の中でクライアントは自分の人生の内容についての専門家であるのに対し、カウンセラーは変容のプロセスについての専門家であるということ。
 第二に、クライアントが進んでカウンセリングのセッションを動かし、カウンセラーはそのプロセスを後ろから見守りながら導きます。そして
 第三に、カウンセラーの仕事は、クライアント自身が動くように促すことであること(を伝えます)。 カウンセラーの素質は、答えを提示することではなく、問いかけるところに発揮されます。

補足:コーヒーカップ方式

さらに加えると、「変容のプロセスについての専門家」のプロセスのイメージを判りやすく伝えてくれているのが、國分康孝のコーヒーカップ方式です。こちらは以前少し加筆した図でお示しして終わりにしたいと思います。


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