「新版 キャリアの心理学【第2版】渡辺 三枝子」を全面的に参照しながら、クランボルツが2009年に発表した「ハップンスタンス学習理論(happenstance learning theory)」に至るまでの、クランボルツ理論の変容を追ってみます。
Social Learning Theory of Career Decision Making:SLTCDM
キャリア選択がどのようにして行われるか、を社会的学習理論の立場から説明した。

Learning Theory of Career Counseling:LTCC
SLTCDMはキャリアパスへの説明だが、さらにキャリアカウンセラーが
どのようにクライエントを援助するかについての理論。

planned happenstance theory
LTCCを改定し、従来のカウンセリングでは望ましくないものと考えられてきた「未決定」を望ましい状態と考え、クライエントが偶然の出来事を作り出し、認識し、自分のキャリアに組み込んでいけるように支援することがキャリアカウンセリングの目標である。キャリアカウンセラーへのアドバイスとして次の5点があげられている。
- 想定外の出来事がキャリアに影響を及ぼすことは普通の事でありかつ当然のことであること、そして望ましい事であることを認識しなさい。
- 未決定を治療すべき問題として捉えるのではなく、用意周到なオープンマインドな状態とみなしなさい。その状態は思いがけない未来の出来事をクライエントが利用することを可能とする。
- 新しい活動を試みたり、新しい興味を開発したり、古い信念に疑問を呈したり、生涯にわたる学習を続けるための機会として想定外の出来事を利用する方法をクライエントに教えなさい。
- 将来、有益な想定外の出来事が起こりやすくなるように行動を始めることをクライエントに教えなさい。
- クライエントがキャリアを通じて学習できるよう継続的な支援をしっかり提供しなさい。
happenstance learning theory
個人個人が人生を通してたどるそれぞれの道がどのようになるか、そしてそれはなぜなるか、を説明しようと試み、キャリアカウンセラーがそのプロセスを促進する方法について言及して、そして次の4つの命題を提示した。
- キャリアカウンセリングの目標はさらに満足できるキャリアや個人的な生活に到達するための行動をクライエントが取れるようになることを支援する事である。
- キャリア・アセスメントは個人の特性と職業の特性をマッチングするために用いるのではなく、学習を促すために用いられるのである。
- クライエントは有益な想定外の出来事を作り出す方法として探索的な行動に携わることを学習する。
- キャリアカウンセリングが成功したかどうかは、キャリアカウンセリングのセッションの外にある現実の世界でクライエントがなにを成し遂げたかによって評価される。
2004年「Luck is not accident.:その幸運は偶然ではないんです!」出版
クランボルツの根幹となる考えは「学習し続ける存在」としての人間、という人間観です。そして現代のように激しい時代であるからこそ、偶然でもたらされる機会を自らの主体性や努力でもってキャリアに活かしていく姿勢が必要という考えが年を追うごとに強まり、理論が発展したと考えられます。
ここで養成講座の受講生に頂いたクランボルツの感想コメントを思い出しました。
幸運の女神には、前髪しかない。
古代ギリシアのポセイディッポス(英語版)の詩からの言葉だが[2]、レオナルド・ダ・ヴィンチの残した言葉とも言われる[3][4]。『ギリシア詞華集』第16巻275番に収録されたポセイディッポスの詩は、「時」または「好機」の神カイロスの容姿について述べている[1]。この神は出会った人が捕まえやすいように髪が前に垂らされている[2]。だが後頭部には髪が無いため、追いかけて行って捕まえることはできない[2]。「チャンスは訪れたそのときに掴まなければならない」という意味で用いられる[2]。(引用:Wikipedia)


鋭いコメント、後悔先に立たず。後ろ髪は無いんだ。









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