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螺旋(Helix)

 現代のキャリア・カウンセリングは、向き合う対象が個人から環境へと広がってきています。その意味では、キャリア・ガイダンスを起点にしたキャリア・カウンセリングが、直線ではない螺旋(Helix)で歩みを進んでいることに気づきました。つまり社会環境に個人の能力を見極め適材適所に当てはめるパーソンズのペグ理論から、人間の成長を信じ個人を焦点の中心にしたロジャーズの非指示的療法(やがてクライエント中心さらに人間中心療法)が現れ、より流動的となった現代社会との相互作用で構成される個人の心理キャリアを自ら構築するサビカスのキャリア構築理論、さらに社会に取り残されたキャリアの概念から忘れ去られたローワーな若者(忘れられた半分)にも目を向けたブルースティンの社会正義論に端を発して、社会環境を変革対象とするACAのアドボカシー・コンピテンシー(カウンセラーのための社会正義フレームワーク)へと進む螺旋(Helix)が見えてきました。

 この気づきのきっかけと成るワッツ(Watts, A. G., 1996)の「キャリア・ガイダンスの4つのイデオロギー」を紹介します。

 ワッツはキャリア・ガイダンスのイデオロギーに対して「社会に焦点がある⇔個人に焦点がある」x 「変革を目指す⇔現状維持を目指す」の二軸の視点を提案しました。

 この軸に沿って、キャリア・ガイダンスを4つのイデオロギーに分けると、下表のようになります。

それぞれ、

  1. コンサバテイプ(社会統制):社会に焦点がある現状維持のガイダンス方針である。社会のニーズに人をはめ込んで適材適所を目指す、いわゆるパーソンズのマッチング(ペグ理論)です。
  2. リべラル(非指示的):個人に焦点がある、人は自分の可能性を信じるべきと考える。自己実現論をベースに個人の自由を尊重するリべラルで、人間の可能性を信じる点でロジャーズ非指示的(nondirective)療法があてはまります。
  3. プログレッシプ(個人的変化):個人に焦点をあてかつ個人の変革はどこまでも可能だと考えるる。つまり現状の個人に満足することなく、変革しようとする。クランボルツの社会的学習理論やサビカスのキャリア構築理論が相当します。
  4. ラディカル(社会変革):現状維持ではなく変化を求め、しかも変化の対象が社会であり、さらに社会に働きかけ、より良いものにしようとする、ACAのアドボカシーコンピテンシーとなります。

この流れを❶から❹まで、キャリアカウンセリングの進化の過程と捉えると、上の表のうえに反時計回りの螺旋(Helix)が下の図のように浮かび上がってきました

これまでのキャリアガイダンスとキャリアカウンセリングの諸理論がこの一つの螺旋(Helix)カーブ上に配置することが出来ます。

ゴロワーズ

私たちキャリアカウンセラーは「何処からきてどこに行くのか」が少し見えた気がします。

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