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キャリアコンサルタント養成計画の今

国家資格キャリアコンサルタント及びキャリアコンサルティング技能士2級の試験が7月前後に始まります。これらキャリアコンサルタントは厚労省の養成計画をもとに進められています。その養成数の数値目標に対する進捗をちょっと俯瞰的にみるため可視化して、結果に対する簡単な分析を行いました。

平成26年7月産業競争力会議「雇用・人材分科会」の中間整理(平成25年12月)等を踏まえ、キャリア・コンサルタント養成計画を策定(能発0730第1号4数値目標)より標準レベルのキャリア・コンサルタント及びキャリアコンサルティング技能士の累計養成数を平成36年度末(2024年度末)に10万人とすることを数値目標としています。

標準レベルのキャリア・コンサルタント及びキャリアコンサルティング技能士の累計養成数は、国家資格キャリアコンサルタント登録数が、2024年3月末時点で(第25回試験終了時点)、72,567名で、キャリアコンサルティング技能士の総数は、2024年3月末時点(第31回試験終了時点)で、12,415名(2級11,722、1級693名)で合計84,982名となっています。

この2024年3月末の結果を2023年度末実績として、同じく策定資料の下の資料484,982名をプロットするとほぼトレンド見込による予測通りである事が判ります。つまりトレンド見込にプラス1万人ほどの増加は無かったようです。ただ順調に増えてはいるので、1年後には数値目標の10万人になりそうです。

ゴロワーズ

注:この10万人の表現には公共事業にありがちなマジックが有ります。それは国家資格キャリアコンサルタント登録数とキャリアコンサルティング技能士1級及び2級を加算していますが、実際は重複することが多いので有資格者のコンサルタントの実数はもう少し低いことも見逃しえてはいけないと思います。あくまでも数値目標です。

ここからは、プラス1万人増員計画が達成できなかった辺りを、少し分析しました。ただこれはあくまで個人的な見解であることをご理解ください。

数値目標である累計養成数の多くの割合を占めるのは国家資格キャリアコンサルタントの登録数(72,567人/84,982人=85%)になります。この登録数の伸びについて着目します。その前に国家資格キャリアコンサルタント試験は日本キャリア開発協会(以降JCDA)と特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会(以降キャリ協)の二団体で運営されています。全体の立て付けを見るにはキャリ協の下図が参考になります。(赤字は私が追記してます。)

国家資格キャリアコンサルタントの学科試験は二団体共通ですが、実技試験は別々に行われます。この受験の要件は養成講座受講あるいは実務経験になりますが、9割以上が養成講座受講生になります。この養成講座は各試験の二団体向けて、それぞれ開催されます。つまり養成講座を選んだ時点で、ほぼどちらの団体の試験を受けるかが決まります。もちろん他の団体を受けることも可能ですが、実技における視点がやや異なるのでその養成講座が対象とする試験団体を受けるのがほとんどです。

まず最初に国家資格キャリアコンサルタントの全体の受験者数と合格者数の推移を各団体の発表**からグラフ化しました。試験は年に3回(3月/7月/11月)あり、最新では合格者が各回約3千人なので、その3倍の年に約1万人になります。ここから2023年度末から24年度末には1年遅れですがほぼ10万人を達成するのではと予想できます。

次に二団体に注目しながら、受験者数の推移をグラフにしました。

キャリ協の受験者数が順調に伸びているのに対して、JCDAはコロナで受験の日程が延びた15回以降は、やや下がり始めるのが判ります。当初第8回くらいまでは、むしろキャリ協に対してJCDAが上回っていたのが14回以降ははっきり逆転しました。

合格率を確認すると、

受験回により多少異なりますが、団体ごとの合格率に差が出ないよう調整されている感があります。目標点が学科も実技も6割程度を目標設定しているようです。

したがって合格率には差が無いので各団体の合格者数つまり登録数は、受験者数に約6割になり、各回の合格者数の内訳は約2千人がキャリ協で約1千人がJCDAとなります。

つまり受験生総数の受験回数ごとに増えていますが、二団体では傾向は異なります。JCDAがむしろ減少しているのが数値目標に届かなかった要因の一つと思われます。その傾向の原因が判ると、今後の養成計画の参考になるかも知れません。

ところで総数としては年に1万人以上でさらに伸び続けることが予想されます。そうすると当初の数値目標を1年遅れとは言え達成した後は、厚労省の方針はどうなるのでしょうか?今年から来年辺りの厚労省の動向が気になるところです。

ゴロワーズ

この傾向が続くと実技試験の運営が受験者数の少ない団体はコスト的に難しくなることが予想されます。将来は団体統一もあるのでしょうか?受験生とってはそのほうが判り易いかもしれませんね。

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