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ワーク・エンゲイジメントまで(2)

前の投稿で触れたように、人は何かを成し遂げたい「自己実現」の欲求、言いかえれば達成動機を持っているのが理想的な状態、つまりマズローの下位の欲求が満たされている状態かと思います。職務に関しても、その達成動機により目標が成し遂げられたときの職務満足とワークエンゲージメントは密接に関連しています。職務満足は、従業員が仕事内容や環境、働きがいや人間関係などの点において満足している静的な状態を指します。これに対して、ワークエンゲージメントは、従業員が仕事に対してポジティブな感情を持ち、熱意や充実感を示している動的な状態です。

職務満足

ハーズバーグの二要因理論では、職務満足や不満足を規定する要因は、衛生要因と動機付け要因の2つがあります。

  1. 衛生要因監督の仕方、会社の政策と経営、作業条件、対人関係、賃金
  2. 動機付け要因仕事の達成感、達成の承認、仕事そのもの、責任、承認、成長の可能性

衛生要因の改善は不満足を減少させますが、職務満足動機付け要因の充足によって初めてもたらされます。

心理的成功

 ダグラス・T・ホール(Hall,D.T.)職務満足キャリアと直接結びつけました。「キャリアは他者との関係の中で互いに学び合うことで形成されていく(関係性アプローチ)」と「キャリアとは、生涯にわたる期間において、仕事に関する諸経験や諸活動と結びついており、個人的に知覚された一連の態度や行動である」をもとに、キャリアの主観的側面(内的キャリア)に注目し、心理的成功の重要性を指摘しました。

キャリアと心理的成功に関して
自己概念、キャリア、コミットメント、自尊感情の増大は、適切なキャリア目標の達成をもたらす。
②初職の職務評価、成功感が、その後数年のキャリア・コミットメント、職業的行動、成功を決める。
③ある地位から他の地位への移動は、その個人の自己概念、満足、及び仕事に対する態度の顕著な変化となって完成される。
としました。

そして変化の多い現代において、変幻自在にキャリアを変えて、心理的成功をゴールとするプロティアン・キャリアを提示しました。

ワークエンゲージメント

  ワーク・エンゲイジメントは、Schaufeliらが2002年に提唱した概念で、

  1. 「仕事から活力を得ていきいきとしている」(活力)
  2. 「仕事に誇りとやりがいを感じている」(熱意)
  3. 「仕事に熱心に取り組んでいる」(没頭)

の3つが揃った状態として定義されています。

 令和元年版の労働経済の分析で、ワーク・エンゲイジメントの特徴が下図に記されています。青の矢印は、私が追記しました。職務満足という状態から、内的キャリアである心理的成功へ向けて、(活力)と(熱意)をもって取り組んでいる(没頭)の動的な状態と捉えました。つまり、ワーク・エンゲイジメントが仕事を「しているとき」の感情や認知を指す一方、職務満足感は仕事「そのものに対する」感情や認知を指し、どちらも「仕事への態度・認知」について肯定的な状態ですが、後者は必ずしも仕事に没頭しているわけではない留まった静的な状態のため、「活動水準」が低くなります。

つまり、

人間の根源的な欲求の中の、所属欲求、承認欲求、自己実現欲求が、職業・職務においての内発的動機として働き、心理的成功を目指して、(活力)と(熱意)をもって取り組んでいる(没頭)動的な状態が、ワーク・エンゲイジメント(働きがいをもった状態)と捉えました。

人の根源的な欲求から、ワーク・エンゲイジメントといったキャリアまでの繋がりを可視化するのが目標でしたが、まとまった図にはなりませんでした。今後の課題といたします。

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