らぼで初めて完読した”Career Construction Counseling Manual”を製本前の校正で目を通すと色々なことに気づきました。その中の一つは「Career Construction Counseling のプロセスは標準的なシークエンス(順序)に準拠しており、Kolb (1984) の経験学習サイクルや Watson と Rennie (1994) のクライアント対応モデルにも類似しています。」との記述です。それを示す表が下記のTable 1 です。
Table 1. Outline of Sequence for CCC
| Client Experience クライアント体験 | Career Constructing (Savickas, 2019) キャリア構成 | Learning Cycle (Kolb, 1984) 経験学習サイクル | Client Operations (Watson & Rennie, 1994) クライアント対応モデル |
| Tension 葛藤 | Construct 構築 | Concrete experience 具体的な経験 | Symbolic representation 象徴的な表現 |
| Attention 注目 | Deconstruct 脱構築 | Reflective observation 振り返り観察 | Reflexive self-examination 振り返りによる自己探索 |
| Intention 意図性 | Reconstruct 再構築 | Abstract conceptualization 抽象的な概念化 | New realizations 新らたな気づき |
| Extension 拡張 | Co-construct 共構築 | Active experimentation 行動的実現 | Revisioning self 自己修正 |
このKolbの経験学習サイクルとWatson と Rennie (1994) のクライアント対応モデルが、日本キャリア開発協会の経験代謝サイクル「経験の再現ー意味の出現ー意味の実現」に近いことに気づきました。

比較のために抜粋して並べると、
| サビカスの キャリア構築理論 | Kolbの 経験学習サイクル | 日本キャリ開発協会の 経験代謝サイクル |
| 構築 | 具体的な経験 | 経験の再現 |
| 脱構築 | 振り返り観察 | |
| 再構築 | 抽象的な概念化 | 意味の出現 |
| 共構築 | 行動的実現 | 意味の実現 |
Kolbの経験学習サイクルと経験代謝サイクルは共通した思想に思えました。如何でしょうか?
ところでサビカスの構築理論の各ステップも
- 構築 マイクロストーリーの振り返り = 具体的な経験 ≒ 経験の再現
- 脱構築 マクロストーリー(金の糸)抽出 = 振り返り観察 ≒ 経験の再現
- 再構築 ライフポートレート予稿 = 抽象的な概念化 ≒ 意味の出現
- 共構築 ライフポートレート完成、実行計画 = 行動的実現 ≒ 意味の実現
のように別な視点で理解が深まりました。
特に経験の振り返りから出現した意味(making sense)を再構築という形で自身に取り込むところを、新陳代謝のように見ると経験代謝の表現もしっくりきます。ルーツは同じかなと思いました。


Kolb (1984) の経験学習サイクルとWatson と Rennie (1994) のクライアント対応モデルの論文は無事入手しましたので、輪読会のライブラリーに追加しました。
このKolbの論文 ”The Process of Experimental Learning” の冒頭にエリオットの詩が載っていました。
We shall not cease from exploration
And the end of all our exploring
Will be to arrive where we started
And know the place for the first time.
私たちは探求をやめることはないだろう
そして私たちのすべての探求の終わりは
私たちが始めた場所に到着することだ
そしてその場所を初めて知ることになる。
T.S. Eliot, Four Quartets
まさに人類の物語の共通構造(探求の旅の終わりに出発点に戻り、初めて本当の意味を知る)ですね。
コルブ先生に興味が湧いてきました。ご興味ある方ぜひ一緒に読みましょう。20ページなのでお気軽に…






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