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「長い別れ」とレジリエンス

前にビオン先生の所で紹介したネガティブ・ケイパビリティ(negative capability)に続き、今日はハーディネス(hardiness)レジリエンス(resilience)を紹介いたします。何時ものようにイメージイラストを描いてみました。

何れも、VUCAな時代の先を見通せぬ、また簡単に解決できない問題に遭遇する機会が増えてきたときに必要な能力として話題になってきています。

先ずハーディネス(hardiness)はAPA心理学大辞典「予期せず起きた変化に対して容易に適応することができる能力を指す」とあるように、心理ストレスに対する硬さ、それが高いほど心の状態の落ち込みが少ない特性を有します。

ハーディネスストレスを受けながらも心を維持できるストレス耐性ともいわれ、3つのCがその特性を決めると言われています。

  1. コミットメントCommitment):自分の存在に価値があると感じて、人生の様々な状況で自分を十分関与させる傾向
  2. コントロールControl):出来事の推移に対して自分が影響を及ぼすことができると信じて行動する傾向
  3. チャレンジChallenge):人生における変化を脅威ではなく成長するための刺激とみなす傾向

一方、レジリエンス(resilience)は、心理的な傷つきや落ち込みから立ち直る回復力柔軟性の事です。

こちらは、

  1. 自身の持つ特性
    • 資質的レジリエンス:生得的で楽観性・統御力・社交性・行動力
    • 獲得的レジリエンス:後天的で問題解決志向・自己理解・他者理解
  2. 環境要因

が要因としてあげられます。(以上は公認心理士・臨床心理士大学院対策心理学編 KODANSYA より一部引用)

その動作イメージは、

一言でいえば復元力ですね。ハーディネス硬さと引き換えに脆性も持ち合わせていますが、レジリエンスしなやかさが現代人には必要かもしれません。ストレスも無視せずありのままに受けとめて、しかしパニックにならず状況を冷静に判断し、自分自身や周りのリソースを最大限生かしながら回復する。

ところでこんなことを思い出しました。

レイモンド・チャンドラーのハードボイルド小説 「プレイバック」で、主人公フィリップ・マーロウの語った

If Iwasn’t hard, I would’t be alive. If I couldn’t be gentle, I would’t be deserve to be alive.
タフでなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資格はない。

愛するものを守るには、タフでなければならないとのこのタフ(hard)ハーディネス(hardiness)かと思いました。日本で言えば高倉健さんのイメージが浮かびました。

同じチャンドラーの「長いお別れ(The Long Goodbye)のマーロウの友人のレノックスは元妻の罪を隠すため自殺したと見せかけマーロウすらだましました。最後に気づいたマーロウがかつてのように飲みに行こうの誘いに「長い別れ」を告げるレノックスにはレジリエンス(resilience)を感じました。私は1973年版の映画の「The Long Goodbye」のレノックス役のジム・バウトンが気にいってました。今日調べて初めて知りましたが、彼が実は野球選手でヤンキースで優勝に貢献し、引退後はMLBの暴露本『Ball Four』を書いて反響を呼び、キャスターや俳優を勤めたのちに現役復帰して、マイナリーグからやり直して最後にブレーブスでMLB復帰し、投手として1勝あげて再度引退という波乱の人生だったようです。まさにgentleで、レジリエンス(resilience)を発揮した方のようです。

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