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組織開発3-1(AIの原理)

組織開発のAIは、人工知能のAIのArtificial Intelligenceではなく、Appreciative Inquiry(以降AI)です。

Appreciative は 形容詞「真価(良さ)を判る、感謝の」で、Inquiry は、「尋ねる、問いかけ、質問、探求」です。
つまり「真価を認めるための問いかけ」 の意味です。

キャリアカウンセリングのクライエントに対して成長を信じて問いかけるロジャーズの姿勢と共通するところがあります。組織の問題を人間関係の観点で捉える時に、その問題を悪いものとして解決する問題解決志向ではなく、その問題を視点を変えポジティブに変換するためのきっかけとしての「問い」の意味を持ちます。

このAIは、1987年にDavid L. Cooperrider と Diana Whitneyが提唱した考えで、ソフト面からの組織開発の手法として脚光を浴びましたが、リーマンショックで一気に短期的な成果を求めるながれで下火になりました。また現代になって、従業員のメンタル問題の多くが、EAP(Employee Assistance Program)などの個人の問題としてのアプローチだけでは解決できない、個人を取り巻く環境つまり組織風土にもあるとの視点から再び脚光を浴びています。

ただAIの中身の説明は何かつかみどころがないところもあります。多くの場合そのプロセスとして4Dサイクルが説明されますが、この分野の日本の本山の南山大学では、4Dはあくまでもやり方であって、そこを支える8つの原理が重要といわれているそうです。

そこで、輪読会用に入手した2005年のCooperrider と Whitneyが記した”Appreciative Inquiry: A Positive Revolution in Change”の第7章の”Principles for a Positive Revolution”に記された原理から読み始めようと思います。響くところをピックアップして、💡私の解釈を加えました。

The Constructionist Principle:社会構成主義の原理

Philosophically, constructionism involves a decisive shift in western intellectual tradition from cogito ergo sum to communicamus ergo sum. In practice, constructionism replaces absolutist claims or the final word with the never-ending collaborative quest to understand and construct options for better living.
哲学的に言えば、社会構成主義は、西洋の知的伝統における決定的な変化、すなわち「我思う、ゆえに我あり」から「共にコミュニケーションを取る、ゆえに我あり」へのシフトを含んでいます。実際には、社会構成主義は、絶対的な主張や最終的な言葉を、より良い生活のための理解と選択を構築するための終わりのない共同の探求に置き換えます。

対話を通じてこそ、より深い理解が得られる。の意味かと思います。職場に元気のない若手社員がいる時に、「まだ社会人の資格がないなぁ」なんて決めつける前に、「どうしたの?」と耳を傾けると個人の問題ばかりでなく職場の持つ課題が見えてくるかもしれません。

The Simultaneity Principle:同時性の原理

 Inquiry and change are not separate moments, but are simultaneous. Inquiry is intervention. The seeds of change—the things people think and talk about, the things people discover and learn, and the things that inform dialogue and inspire images of the future—are implicit in the very first questions we ask. The questions we ask set the stage for what we find, and Principles for a Positive Revolution what we discover (the data) becomes the linguistic material, the stories, out of which the future is conceived and constructed.
 問いかけと変化は別々の瞬間ではなく、同時に起こるものです。問いかけは介入です。変化の種、つまり人々が考え、話し、発見し、学ぶこと、そして対話を形成し未来のイメージを喚起するものは、私たちが最初に投げかける質問の中に暗黙的に含まれています。私たちが尋ねる問いは、私たちが見つけるものの舞台を設定し、ポジティブな革命の原則において、私たちが発見するもの(データ)は、未来が考案され、構築されるための言語的素材や物語となります。

少し不確定性原理のようです。問いかけはその瞬間に変化を起こす。そして問いに未来のイメージを喚起するものがあれば、物語となる。例えば「このままではのお言葉には、どう変わりたいかの思いを感じました。よろしければどんな未来考えてみませんか?」

The Poetic Principle:詩的な原理

A metaphor here is that human organizations are a lot more like an open book than, say, a machine. An organizationg story is constantly being coauthored. Pasts, presents, and futures are endless sources of learning, inspiration, and interpretation, like the endless interpretive possibilities in a poem or a literary text.
ここでの比喩は、人間の組織は機械のようなものよりも、むしろ開かれた本のようであるということです。組織の物語は常に共著されています。過去、現在、未来は、詩や文学テキストの無限の解釈の可能性のように、学び、インスピレーション、解釈の終わりのない源です。

組織は確固としたものではなく読み物であり、その解釈は無限で学びやインスピレーションの源で、ともに読み書くために開かれているの意味と理解しました。「この部署はメンバーが生き生きしている。うらやましいが、何故だろう?ぜひ知りたい、うちの部署にも参考になるかな?」

The Anticipatory Principle:予測原則

The image of the future guides the current behavior of any organization. Much like a movie projector on a screen, human systems are forever projecting a horizon of expectations ahead of themselves. Their talk in the hallways, the metaphors and language they use, bring the future powerfully into the present as a mobilizing agent. “…”
— the conclusions are converging on something Aristotle said. “A vivid imagination compels the whole body to obey it. “
未来のイメージは、あらゆる組織の現在の行動を導いています。映画プロジェクターがスクリーンに映し出すように、ヒューマンシステムは常に自らの前に期待の地平線を投影しています。廊下での会話、彼らが使う比喩や言葉は、未来を強力に現在に引き寄せ、動員の要素となります(中略)
その結論はアリストテレスが言ったことに収束しています。「生き生きとした想像力は全身を従わせる。

未来のイメージを持つことは、そしてそれが生き生きとした想像力に富むものであれば、現在の行動に結びつく、みな引き寄せられる。と言った捉え方をしました。「もしこんな、〇〇なことが明日起きるとしたら、今からその準備をしませんか?」

The Positive Principle:ポジティブの原理

Building and sustaining momentum for change requires large amounts of positive affect and social bonding—things like hope, excitement, inspiration, caring, camaraderie, sense of urgent purpose, and sheer joy in creating something meaningful together. We find that the more positive the question we ask, the more long-lasting and successful the change effort. The major thing a change agent can do that makes a difference is to craft and ask unconditionally positive questions.
変化のための勢いを築き、持続させるには、大量のポジティブな感情や社会的なが必要です。希望、興奮、インスピレーション、思いやり、仲間意識、緊急の目的感、そして共に意味のあるものを創造する喜びといったものです。私たちは、ポジティブな質問をするほど変化の取り組みがより持続的で成功することを見出しています。チェンジエージェントができる大きなことは、無条件にポジティブな質問を作り、投げかけることです。

AIの担い手(チェンジエージェント)が無条件にポジティブな質問をすることで、変化が持続的に成功し、共に想像する喜びを得る絆が生まれます。「それって、面白いですね。どうしたら実現するか良いか考えましょう」

何となく、組織開発に取り組むときの姿勢が見えてきた気がします。今回はここまでに致します。

ゴロワーズ

あれっ?8つのはずが5個しかないぞ…

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