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What Do We Know When We Know a Person?(1)

輪読会のもう一つ、サビカスのキャリア構築理論で重要な役割を果たすマクアダムズの”What Do We Know When We Know a Person?”の会が開始しました。(最初の投稿から、F.Sさんに頂いたアドバイスで題名や、さらに以降を加えました)

「人を知るとは、何を知ることなのか?」深い題名ですね。

ところで、サビカスのキャリア構成理論は様々な理論により成り立つメタ理論であると「サビカス キャリア構成理論 四つの〈物語〉で学ぶキャリアの形成と発達」で語られています。その中核ともいうべき、自己構成プロセスを説明するのがマクアダムスの三つの異なる自己心理という枠組の理論になります。

マクアダムスの自己心理の枠組みを一文で表わしているのが、

In a sense, the “I” (subject) “has” its own traits, acts in accord with its own personal concerns, and narrates its own stories .
ある意味、私(客体)は自分自身の(性格)特性を持ち、私ならではの個人的な価値観に従って行動し、自分自身の人生ストーリーを語ります。(本書”What Do We Know When We Know a Person?”p390、注:私の意訳)

Abstractでは、この自己心理の枠組みを個人の性格の三つのレベル(Level Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ)で説明します。

Level I ”traits” (性格)特性

個性の記述における一般的な特性な特徴、これなしでは人物の描写は十分ではありませんが、但し特性として表される「見知らぬ人の心理学」以上のものではありません。
さらに、人を初めて見たときに感じる、比較的安定した傾向。

  • 外向性/内向性
  • 誠実性
  • 神経症傾向
  • 協調性
  • 開放性
  • など、ビッグファイブに代表される「普遍的で比較可能な特徴」

役割:その人が「どんなタイプか」をざっくり把握する。

Level II ”personal concerns” 個人的関心事

その人にしかない、努力の経験、直面した人生の課題、何かに対する防衛機制、課題を乗り越える対処戦略、様々な人生のスキルや価値観であり、動機づけ、発達的、または戦略的な心理的構成要素
さらに
「その人が今、何に向かって生きているか」

  • 目標、価値観
  • 人生課題
  • 防衛機制、対処方略
  • 役割(親、部下、友人など)
  • その時期特有の悩みや努力

役割:その人の「現在の文脈」を理解する。

Level Ⅲ ”frameworks and constructs” フレームワークや心理構造(生長する人生の物語)

成人期でのみ提示されるアイデンティティ:認識された現在、予想される未来を統合し、人生に統一性、目的、意味をもたらす内在化されたフレームワークや心理構造であり、言いかえれば、生長する人生の物語
さらに人生の物語(Life Story)とは

「その人が自分の人生をどう語るか」

  • 過去の出来事をどう意味づけているか
  • 現在をどう捉えているか
  • 未来をどう描いているか
  • アイデンティティの核となる物語

役割:その人の「一貫性・目的・意味」を理解する。

つまり、自己心理の枠組みを一文は下図のように表せるかと思います。

さらに、言えることは

 人を知るとは何を知ることなのか、という問いの奥行き このタイトルがしっくりくる理由は、単に言葉として美しいからではなく、タイトルの “What Do We Know When We Know a Person?”「人を知るとは、何を知ることなのか?」は、人が他者を「知る」という行為の多層性を直感的に示しているから。
 ・特性(Traits)を知ることなのか?
  その人が外向的か内向的か、几帳面か大雑把かといった、比較的安定した傾向。
 ・個人的関心や動機を知ることなのか?
  何を大切にし、何に不安を抱き、どんな課題に取り組んでいるのか。
 ・人生物語(Life Story)を知ることなのか?
  その人が自分の人生をどう意味づけ、どんな物語として語っているのか。

 McAdams が言う「三つのレベル」は、まさにこの問いに対する答えの“地層”のようなものです。
人を知るとは何か、何を知ることで人を知ると言えるのか。

 この問いは、単なる学術的関心ではなく、私たちの日常の実感にも深く結びついています。
 ・ある人の“性格”を知っても、まだその人を知った気にはなれない。
 ・その人の“価値観”や“悩み”を知ると、少し近づいた気がする。
 ・そして、その人が自分の人生をどう語るかを聞くと、ようやく「その人らしさ」が見えてくる。
 この段階的な「知る」の深まりが、タイトルの一文に凝縮されています。

サビカスは、このマクアダムスの枠組みの自己心理のレベル(Level Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ)を利用して、それぞれ自己構成プロセスをアクター(自己を体系立てる)、エージェント(自己を調整する)、オーサー(自己を概念化する)に分類したようです。

四つの物語の主人公が下記の様な戦略で自己構成とキャリアのコンテンツを形成したとしています。

(a)社会アクターの自己体系的な愛着スキーマ気質的戦略
(b)動機づけられたエージェントの自己調整的な動機づけスキーマ適応戦略
(c)オーサー(自伝著者)の自己概念的な内省スキーマアイデンティティ戦略

さて本書では、この自己心理のレベルの説明の後に、

One of the great social rituals in the lives of middle-class American families is “the drive home.”
中産階級のアメリカの家族の生活における大きな社会的習慣の一つが「家へのドライブ」です。

ここから、夜のパーティで会ったリンと言う女性について、マクアダムス夫妻がドライブ車中で彼女の分析を始めます。何か小説のような入りでとても興味深いです。

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