オンライン金の糸とサビカス原著の輪読会を開催中♪ 詳細

金の糸とCCIの協奏(構想)

オンラインキャリアらぼで始めた金の糸が2チームでゴールを迎えました。オンラインキャリアラボの金の糸は小学生から大学生時代まで同じメンバーで一緒にまるで同級生のように卒業まで経験するのが特徴です。そこでせっかく得られた「自分らしさ」つまり「金の糸(キャリアテーマ)」を、これからの人生に活用できるように、同じように転機を迎えるクライエントの意思決定を与えてくれるくれるサビカスのキャリア構築インタビューを組み合わせることで、その協奏効果でより自信をもって未来へ向かえるのではと考えました。
そこでキャリア構築インタビュー(CCI:Career Construction Interview) について早く知りたくなり、輪読会の“Career Construction Counseling Manual” Mark L. Savickasの3、4、5章の先読みの結果をまとめました。先読みとして読み切ったので、再掲致しました。今後も読み合わせやCCIの試行により理解が深まった段階で逐次アップデートしていきたいと思います。

第3章では最初にCCIの概要が語られます。

The Career Construction Interview (CCI) is a structured dialogue during which counselors inquire about five topics that uncover life themes and inform decision making about the current transition.
キャリア構築インタビュー(CCI)は、カウンセラーがクライエントの人生のテーマを明らかにし、現在の転機に対する意思決定を与えてくれる、五つの話題について質問する構造化された対話です。

The topics address role models; magazines, television programs, or websites; current favorite story; frequent saying or motto; and early recollections.
その話題とは、①ロールモデル、②雑誌やTV番組あるいはWebSite、③最近のお気に入りの物語、良く取り上げる④ことわざやモットー、そして⑤幼少期の回想です。

つまり現在の転機に対する意思決定にくわえて、金の糸で見出されれる「金の糸(キャリアテーマ)」に相当する「人生のテーマ」も明らかにしてくれるようです。

目次

五つの話題の質問の意味

  1. Role Models ロールモデル
    • because selecting role models is the very first career choice that individuals make.
       ロールモデルを選ぶことが個人の最初のキャリア選択だからです。
    • Answers to this question provide the characters and attributes that the client used as a blueprint for self-construction. 
       この質問の回答は自分を作り上げるための青写真に用いられるキャラクターと属性を示します。
    • During late adolescence, individuals integrate these attributes or identity fragments into an initial vocational identity. 
       青年後期には、人はこれらの属性やアイデンティティの断片を統合して最初の職業的アイデンティティとします。
  2. Magazines, Television, Websites 雑誌やTV番組あるいはWebSite
    • Identify the types of environments, activities, and objects that interest the client.
      クライアントが興味を持つ環境、活動、対象の種類を特定します。
    • This is CCC’s method for examining client’s occupational resemblance, congruence, and correspondence.
       CCCはこの手法で、クライアントの職業的な類似性、一致性、および関連性を調べます。
  3. Favorite Story 最近のお気に入りの物語(本、映画)
    • Understand the stories or cultural scripts that a client may be using to envision the transition outcome.
      クライアントが転機の行く末を思い描くために使いそうな物語や教養書を知ります。
  4. Favorite Saying ことわざやモットー
    • A favorite saying articulates the best advice that a client has for herself or himself.
      好きなことわざ、クライアントが自分自身のために持っている最良のアドバイスをはっきり示します。
  5. Early Recollections(以降ER)幼少期の回想
    • Typically, the first ER alludes to the perspective from which the client views the career problem.
      通常、一番最初の回想は、クライアントがキャリアの問題をどのように見ているかをほのめかします。

第4章では、五つの話題の質問の回答から

Emplot clients’ small stories into a large story that changes perspective, improves self-understanding, clarifies what is at stake in the transition, eases decision making, and prompts action.
クライアントの小さな物語を大きな物語にプロットすることで、視点を変え、自己理解を向上させ、転機で何が問題になっているのかを明確にし、意思決定を容易にし、行動を促します。

小さな物語を大きな物語にプロット」は金の糸と同じ目的です。CCIではこの大きな物語を life portrait 人生のポートレイトと呼びます。このポートレイトを用いてクライエントと共同作業で意思決定と計画に用います。そしてカウンセラーは次のセッションの予約を1週間後に入れ、その間にカウンセラーはポートレイトを書き上げます。

人生のポートレイト初稿作成ステップ

  1. Frame the Perspective 幼少期の回想から人生への視点を明らかにします
    • Counselors consider how viewing the problem from the perspective of the ER illuminates a way forward.
      カウンセラーは、ER(幼少期の回想)の照らす視点から今の問題がどう見えるか考えます
    • The first early recollection announces the issue that most concerns a client.
      1番目の幼少期の回想は、クライアントが最も懸念している問題を伝えます。
    • The second ER often intensifies that concern by elaborating it.
      2番目のERは、多くの場合、それを詳しく説明することによって、その懸念を強めます
    • The third ER frequently presents a potential solution or resolution.
      3 番目の ER は、多くの場合、潜在的な解決策または決心を提示します
  2. Describe the Self ロールモデルから纏ったアイデンティティを確かめます
    • Role models are imaginative resources that individuals use to develop their personal characteristics.
      ロールモデルは、人が自らの人間性を成長させるために用いる想像の源です。
    • During adolescence individuals coalesce the attributes that they imitated into a coherent identity.
      思春期に彼らが模倣した幾つかの属性をまとまったアイデンティティに融合させています。
  3. Link ERs to Role Model Attributes 幼少期の回想とロールモデルの結び付きを確かめましょう
    • For virtually all clients, role model characteristics portray solutions to their early problems and continuing preoccupations.
      概ね全てのクライアントで、ロールモデルの特徴は、幼少期の問題と続く懸念の解決策が描いています。
    • ERs portray needs or what one lacks. Role models reveal values or what one seeks to fulfill their needs.
      ERはニーズや欠けているものを描き、ロールモデル価値観やニーズを満たすために何を求めているか明らかにします
  4. Name Interests 興味ある名称(職種や選考)とロールモデルの類型性を確かめます
    • Name the types of occupations or academic majors that fit a client’s interests and explain how they implement the attributes that they adopted from their role models.
      クライアントの興味に合った職種や専攻の名称を挙げ、ロールモデルから採用した属性がどのように組み込まれているかを説明しましょう。
    • In assessing manifest interests, counselors may apply Holland’s (1997) typology of vocational personalities and work environments.
      明白な興味を見たてる中で、カウンセラーはHolland(1997)の職業的人格と職場環境の類型論を適用してもよいでしょう。
  5. Script a Scenario お気に入りの物語を用いて次の人生のシナリオを記述します
    • Translate a client’s current favorite story in terms of the transition problem and suggest how it may outline a possible course or action for the next scenario in the career story.
      クライアントの現在のお気に入りの物語を転機の問題の観点から翻訳し、キャリアストーリーの次のシナリオ向けての方針や行動をどのように取りうるか描きましょう
    • Try to portray the client as using the script to perform self in a new occupational role, thereby revising vocational identity.
      クライエントが台本を使って新しい職業的役割を演じその職業的アイデンティティの改訂を描写してみてください。
  6. Apply Advice 好きなことわざからの助言の適用しましょう
    • Favorite sayings condense experience into practical wisdom. They offer useful guidance regarding clients’ circumstances, and usually suggest tactical action that could begin to bridge the transition.
      好きなことわざは、経験を実践的な知恵に凝縮します。クライアントの状況に関する有用なガイダンスを提供し、通常、転機の橋渡しを始める事が出来る戦略的な行動を提案します。
    • Consider the advice as coming from the play’s director who guides the client to perform life in the wake of the transition, both in the backstage of private meaning and on the front stage of public enactment (Neimeyer, 2012).
      このアドバイスは、プライベートな舞台裏と公的な表舞台の両方で、転機からの人生を演じるクライアントを導く劇の演出家からのものだと考えてください(Neimeyer、2012)。
  7. Unify the Life Portrait ①~⑥を統合してライフポートレイトを書き上げます
    • Counselors produce a first draft of the life portrait by consolidating the sentences that they have written in Tasks 1 through 6.
      カウンセラーは、タスク1から6で書いた文章をまとめて、人生のポートレイトの初稿を作成します。

以上のステップで得られるlife portrait 人生のポートレイトの初稿は、カウンセラーの描いた未来への「キャリアテーマ」です、これを第5章の次のセッションでクライエントと共構築していきます。

人生のポートレイトをクライエントと完成(共構築)

STEP
purpose

Together client and counselor consider whether discussing the life portrait accomplished what the client initially sought from counseling.
クライエントとカウンセラーは一緒に、人生のポートレートについて話し合うことで、クライエントが最初にカウンセリングに求めていたことを達成したかどうかを検討します。

STEP
new intentions

Next, counselors move clients to articulate their new intentions.
次に、カウンセラーはクライエントに新しい意図(人生の意味)を明確にしてもらいます。

STEP
set goals

Having clarified purpose and declared intentions, clients then set goals that chart a direction through possibilities and constraints.
目的を明確にし、意図を宣言した上で、クライアントは可能性と制約を通じて方向性を示す目標を設定します。

STEP
co-construct a plan

Client and counselor co-construct a plan for strategic changes and tactical actions that can test the provisional understandings generated during counseling.
クライエントとカウンセラーは、カウンセリング中に得られた暫定的な理解をテストできる戦略的変更と戦術的行動の計画を共同で構築します。

以上で新しい意図(人生の意味)が明確になり、現在の転機に対する意思決定もなされます。この前者は金の糸で得られる「自分らしさのつながり」「キャリアテーマ」の次の一歩つまり未来版になります。

次の新たな試み

金の糸は、すごろくのマスの目の出す偶然性も含む問いかけにより普段忘れていた過去の記憶を振り返り、また仲間の物語の刺激を受けたり、小学校から大学までのマイクロストーリーを構築し、そこで「金の糸=自分らしさ=キャリアテーマ」を得ることが出来ます。

一方キャリア構築カウンセリングでは、「転機の問題」に対する対処の仕方を考えるために、転機の物語の振り返りによるキャリア脱構築及び再構築を行い、さらにCCIの結果を元にしてカウンセラーと共構築を行い「新しい意図(人生の意味)の構築」と「目の前の転機への意思決定」がゴールです。

つまり金の糸で得られる「金の糸=自分らしさ=キャリアテーマ」はCCIの「新しい意図(人生の意味)の構築」でさらに深化・強化され、CCIの描く未来への「目の前の転機への意思決定」が金の糸の過去の経験との照らし合わせにより明確化出来ると期待できます。下図のように金の糸CCI協奏的にお互いの効果を高め、目の前の「転機の対処」「これからの人生」の方向性への導きに繋がるのではと考えました。

まとめると「これからの人生」「転機の対処」に対する方向性に対して、「金の糸」「CCI」の協奏により、より深い導きが得られると考えています。

現在金の糸が終わった時の参加者に、金の糸の振り返りとキャリア構築インタビュー及び今の課題をアンケートに答えてもらい、また集まり話しあってみようかと計画しています

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