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Appreciative Inquiry(2)

  “Appreciative Inquiry (David L. Cooperrider, Diana Whitney)” の第2章の”What is Appreciative Inquiry?”「アプリシェイテイブ・インクワイアリー」って何?からです。

目次

第2章 What is Appreciative Inquiry?

Appreciative Inquiry

 「アプリシェイテイブ・インクワイアリー」って何?と聞かれると、毎回答えづらいです。普段使わない言葉からでしょうか? 説明しようとする度に、その意味を自分に問いかけるルーティンすら、アプリシェイテイブ・インクワイアリーらしい気がします。

  1. appreciative 感謝喜び評価価値
    • 周囲の人々や世界の中で最良のものを認識する行為
    • 過去と現在の強さ、成功、可能性を肯定すること
    • 生きるシステムに命(健康、活力、卓越性)を与えるものを知覚すること
  2. inquiry 探求と発見の行為、問いかけ
    • 新しい可能性や潜在能力を見ようとする姿勢を持つこと
    • 発見する、探す、体系的に探求する、そして研究する

 から、一旦は「喜び価値に繋がる探求や問いかけ」と紹介したいと思います。

 その心は、

「感謝、喜び、評価、価値、希望、夢などに関する問いかけや対話による探求には、個人と組織に変容をもたらす性質がある」という考え方です。

 この考え方は、ロジャーズのキャリアカウンセリングにおける

「人には成長しようとするがあり、抱えている問題を解決したいと思っている。セラピストはそこにより添い問いかけることにより生ずる気づきにより、自らが前に進むことが出来る」

 と共通するものがあります。

 これは、「人や組織の性質」に対するマズローを源流としたポジティブ心理学の視点と、「問いかけ」には世界が言語と言う文脈から構成されているという社会構成主義の思想と底通しているからだと思います。

 ポイントはこの「問いかけ」が、肯定的な方向に開かれたもので、関係する人々に価値をもたらしたり、組織の成功にとって重要なトピックや関心事項、間題点に目を向けたものでなければなりません。

 つまりアプリシエイティブな感謝、喜び、評価、価値に対して、「問いかけ」の方向性を定めたときこそ、インクワイアリーによるリフレクション(振り返り)のパワーが生まれます。

 組織の成功にとって重要なトピックや関心事項、間題点に対して、人々が過去、現在、未来の能力として語ること(対話)は、これはポジティブなコアと呼ばれるものです。組織が最善の状態であるときの本質的な特徴、つまり、組織の有形もしくは無形の強み、能力、資源、資産に関する、人々の知の集合体です。

Positive Core

組織またはコミュニティのポジティブなコアは、下表のような、さまざまな資産、強み、リソースのセットで構成されます。

Achievements 実績Vital traditions 重要な伝統
Strategic opportunities 戦略的機会Lived values 生きた価値観
Product strengths 製品の強さPositive macrotrends 前向きなマクロトレンド
Technical assets 技術資産Social capital ソーシャルキャピタル
Breakthrough innovations 画期的なイノベーションCollective spirit 集団精神
Elevated thoughts 高揚した思考Embedded knowledge 埋め込まれた知識
Best business practices ビジネスのベストプラクティスFinancial assets 金融資産
Positive emotions ポジティブな感情Visions of positive futures 前向きな未来のビジョン
Organization wisdom 組織の知恵Alliances and partnerships アライアンスとパートナーシップ
Core competencies コアコンピタンスValue chain strengths バリューチェーンの強さ
Visions of possibility 可能性のビジョンStrategic advantages 戦略的利点
Leadership capabilities リーダーシップ能力Relational resources リレーショナル・リソース
Product pipeline 製品パイプラインCustomer loyalty 顧客ロイヤルティ

 このコアを熱く語るとき、その組織は目指す未来がある気がします。そしてポジティブなコアについての対話はそれを生き生きとさせ、意味を与え、組織のメンバーや利害関係者がベストプラクティスを共有できるようにします。

Positive Change

古いパラダイムではポジティブなコアではなく、問題の定義から始まります。下表の左側の問題解決アプローチです。

Problem Solving

Felt need Identification of problem
問題の特定の必要性を感じた

Analysis of causes
原因の分析

Analysis and possible solutions
分析と可能な解決策

Action planning (treatment)
アクションプランニング(治療)

Basic Assumption: An organization is a problem to be solved
基本的な仮定:組織は解決すべき問題である
Appreciative Inquiry

Appreciating and valuing the best of what is
最良のものを認め、価値を与えること

  Envisioning what might be
何が起こりうるかを思い描く

Dialoging what should be
何があるべきかを対話する
↓  
Basic Assumption: An organization is a mystery to be embraced
基本的な仮定:組織は受け入れるべき神秘である

 アプリシェイテイブ・インクワイアリーでは、行うすべてのことにおいて、ポジティブなコアの説明から意図的手掛けることを選びます。つまり、この左側の問題分析から右側のポジティブ・コア分析へのシフトが、ポジティブな変化の核になります。

この変化をもたらす手法に、アプリシェイテイブ・インタビュー(appreciative interview)があります。以下のような質問を行います。

STEP
ハイポイント体験

 あなたの組織で、最も最高の経験だと考える瞬間について述べてください。最も熱中し、生き生きと活力にあふれていたと感じた時のことです。

STEP
価値の評価

 控えめにならずに、あなた自身、あなたの仕事、そしてあなたの組織について最も価値があると思うことを教えてください。

STEP
組織が最良の状態にあるときに生命を与えるもの

 組織が最良の状態にあるとき、その生命力を与える主要な要素は何でしょうか?

STEP
新しくより魅力的な組織やその未来のイメージ

 あなたの組織の今から10年後を想像してみてください。すべてがあなたがずっと願っていた通りになっているとしたら、何が違ってますか?この理想的な組織に対して、あなたはどのように貢献しましたか?

 このような質問への回答やそれによって生まれる物語は組織全体で共有され、新しくより魅力的な組織やその未来のイメージが生まれます。

 次の第3章で、具体的なプロセスの4-D Cycleの説明に入ります。

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